東海大、疑問が残る4区の選手配置。
復路はメンバー変更と9区がポイント (2ページ目)
2区の名取は、1.4キロ地点で首位の法政大を抜き、トップに躍り出た。その後、東京国際大のヴィンセント・イエゴン(2年)、創価大のフィリップ・ムルワ(2年)に抜かれ後退。14キロ地点では日体大・池田耀平(4年)に追いつかれたが、必死に並走し、前をいくヴィンセント、ムルワを追った。
「ずっとひとりで走っていたんですけど、あとから池田選手が来たので、その流れを借りて前を追っていこうと思っていました。それほど前と大きな差は開かなかったので、最低限の走りはできたかなと思います」
名取は区間8位ながら3位を維持し、レースをつくった。
そして両角監督の2手目は、3区に選手変更で石原翔太郎(1年)を入れたことだ。両角監督が「気持ちが強く、走りも強い。可能性を感じる」と高く評価している選手で、ここでトップに立つというプランを描いていたのだろう。
石原はその期待に応えて、懸命に前を追った。
「ハーフマラソンを走ったことがないので少し不安だったんですけど、総合優勝という目標があったので、自信を持って走ることができました」
藤沢ポイントでは、戸塚中継地点で1分1秒あった東京国際大との差を35秒縮めた。石原は苦しそうな表情を浮かべながらもスピードを上げ、12.9キロ地点でついにトップに立った。
全日本大学駅伝に続く快走を見せた石原は、「4年生への感謝の気持ちが大きかった」と語った。
「4年生は練習だけでなく、生活面でも引っ張ってくださった。それに自分たちがついていくことで成長することができた。4年生にとっては最後のレースなので、優勝という目標に向かってなんとかしたいという気持ちで走りました」
3区までは選手の能力、気持ち、采配が見事にマッチし、東海大にとってはほぼ完璧なレースを展開した。
しかし、4区に魔物が棲んでいた。4区の佐伯陽生(1年)は全日本大学駅伝1区でレースをつくり、上々の駅伝デビューを飾った。その時、箱根駅伝について「今までその距離(20キロ以上)のレースを走ったことはないですけど、安定したペースだといける自信があるので、それほど心配していないです」と語っていた。
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