箱根駅伝「花の2区」を彩ったエースたち。渡辺康幸、相澤晃らの快走 (2ページ目)
当時は「不滅の記録」と言われた渡辺の区間記録だが、その3年後に早くも突破する選手が現れた。3年連続でエース区間を担った順天堂大・三代直樹(現・富士通コーチ)だ。
4年時(1999年)の2区で首位と22秒差の8位でスタートを切ると、2km過ぎでトップを奪取。ライバルたちを振り切り、1時間6分46秒の区間新記録を樹立した。特に驚異的だったのが、ラスト3kmの上り坂だ。20km通過(57分51秒)は渡辺の3年時よりも13秒遅れていたが、そこから爆走して"大逆転"につなげている。この年、三代の快走で波に乗った順天堂大は10年ぶりの総合優勝に輝いた。
2区は留学生ランナーが旋風を巻き起こしてきた区間でもある。"初代ケニア人留学生"のジョセフ・オツオリに続き、3度の区間賞を獲得した山梨学大のメクボ・ジョブ・モグスはひたすら強かった。
2年時(2007年)は終盤に失速して区間6位に終わったが、1年時(2006年)は12位から、3年時(2008年)は7位から、4年時(2009年)は4位からトップに立っている。タイムの面では、3年時に三代が保持していた区間記録を23秒塗り替える1時間6分23秒をマーク。さらに4年時には記録を1時間6分04秒まで短縮した。10000m27分27秒64、ハーフマラソン59分48秒の日本学生記録を持つ実力は半端じゃなかった。
タイムではモグスにかなわなかったが、日本大のギタウ・ダニエルもインパクトのある走りを見せている。2年時(2008年)は15人抜き(19位→4位)、3年時(2009年)は20人抜き(22位→2位)、4年時(2010年)は11人抜き(13位→2位)。1学年上のモグスに阻まれ、区間賞は4年時の一度だけだったが、3度2区を走り46人を"ゴボウ抜き"。ダニエルは、1年時にも3区で5人抜き(6位→1位)を演じており、4年間で衝撃の51人抜きを演じたことになる。
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