出雲駅伝中止で箱根予選会は?立教大・上野監督「1年生の救済処置を」 (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Nagase Tomoya/PHOTO KISHIMOTO

「15番以内ということは、チームで平均すると約20kmをひとり65分ちょうどぐらいのタイム。昨年、うちは23番でひとり68分ぐらいのレベルだったんです。それでもよく健闘したなと思っていました。今年はレベルの高い1年生が入ってくることを見越して、上級生が目標を立てたんです。

 1年生に『この目標でいいか』と聞いたら、『先輩たちが立ててくれたので、それを目標に頑張ります』ということになりましたが、現実的にはその目標を達成するだけの練習ができていないし、練習してきたものを出せなかった」

 もし通常どおりシーズンに入っていれば、1年生も徐々にレースに慣れ、コンディションの調整も確立できていたはずだ。だが、コロナ禍により思うような練習ができず、あらためて調整の難しさを痛感したに違いない。ただ、レベルの高い1年生が入ったことで、上野監督は昨年までと異なるチームの雰囲気を感じている。

「1年生のなかには、上級生を上回るタイムを持つ選手がいますが、先輩を尊敬していますし、上級生にとってはいい刺激になっています。以前は、レベルの高い後輩が入ると上級生は敬遠してしまうところがあったのですが、今はすごくいい雰囲気でやっています。上級生のレベルも確実に上がっているので、お互い刺激を与える存在になりつつあるのかなと」

 その1年生を中心とした立教大の夏合宿は8月からスタートし、1次、2次、3次まで続く。

「夏合宿は、まずケガをせずに乗り切るのがひとつの目標になります。そのうえで、1次合宿はふたつの大会の結果を踏まえて、ひたむきに歯を食いしばってスタンダードなことを淡々とやろうと思っています。それをこなすことで予選会が見えてくると思うし、学生たちも意欲的です。

 本当は故障している選手も参加させたかったのですが、宿の関係で22名に限定しているので、どれだけレベルが高くても練習できない選手は連れていきません。今回はシビアにやろうと思っています」

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