神野大地「これが限界なのか...」。
東京五輪出場ならず、次なる挑戦は? (3ページ目)
神野、中野、そしてコーチ兼マネージャーの高木聖也が顔を合わせるなか、なんとも言えない重たいムードが漂う。
過去、これほど充実した練習を積み、これほどいいコンディションで臨めたレースはなかった。にもかかわらず、目標タイムをクリアできなかった。その精神的ダメージは大きい。昨年のMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)でも30キロ過ぎに失速したが、その時の神野とは状況がまるで違う。神野が沈痛な面持ちで、こう口を開いた。
「30キロまでひとりでいけたのは状態がよかったからだと思います。それから大きく落ち込んだのは、僕の力が足りなかったのか、それともこれが限界なのかわからないですけど......それでもサブ10(2時間10分以内で走ること)はやるべきだった。正直、MGCの時の17位よりもダメージが大きいです」
この日、青学大の同期や後輩たちが7分台の好記録を出した。よかったと思う反面、大の負けず嫌いなだけに悔しさも大きかっただろう。誰よりも努力してきたと自負し、自信を持ってスタートラインに立っただけに、結果が出なかった悔しさが胸をえぐる。
最後に、ポツリと神野が言った言葉が重い。
「これまで地道に練習を続けてきたんですけど......もう1回、ここで次どうするべきなのか、これまでの取り組みも含めて考える時期なのかなって思います」
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