2020.01.02

箱根連覇へ東海大の奇跡の一手は?
「8区小松でどれだけ詰められるか」

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News

東海大・駅伝戦記 第76回

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 大きなミスもなく、大崩れもなかった。だが、箱根駅伝初日の5区間を終えると、4位の東海大とトップの青学大との間には3分22秒の差がついた。なぜ、そこまでの大差がついてしまったのか。

「青学さんが走りすぎましたね」

 両角速監督は苦い表情を浮かべてそう言った。

区間7位と本来の走りができなかった東海大5区の西田壮志 たしかに今回は、青学大の活躍が目立った。2区では1年生の岸本大紀(ひろのり)が区間5位の1時間07分03でチームを首位に押し上げた。4区では吉田祐也(4年)が、1時間00分30秒という驚異的なタイムでの区間新、区間賞を獲り、トップを守った。

 5区の飯田貴之(2年)も1時間10分40秒のタイムで区間2位と好走。青学大は5区間を5時間21分16秒の新記録で走り抜き、3年ぶりの往路優勝を飾った。タイムが示すとおり、箱根にも高速化の波が押し寄せた。

 本来、東海大はスピードが持ち味だが、高速化の恩恵を享受できなかった。全体のレベルが上がり、爆発的な走りをする選手が増えた。その結果、東海大は全体として悪くなかったが、爆発力に欠け、青学大との差を埋めることができなかった。

「全体的に悪くなかったと思います。(2区の)塩澤(稀夕/3年)も長い距離は未経験でしたが冷静に走って、よくやってくれたと思います。ただ、(3区の)西川(雄一朗/4年)は昨年経験していることが、ちょっと裏目に出たかなと。若干、自重気味に入って、数秒差だった選手につかなかったことが、本人はよしとしてそう思ったのでしょうが、それが裏目に出て、距離を重ねるごとにどんどんと差が開いてしまったかな」

 その西川にしても、昨年は1時間03分02秒の区間7位だったが、今回は1時間02分21秒(区間6位)とタイムも順位も上げた。つまり、ほかがよすぎただけで、決して悪い走りではなかったのだ。

 また、4区の名取燎太(3年)も青学大・吉田に1分差をつけられたが、区間2位の走りを見せた。ただ、名取の状態は万全ではなかった。両角監督が言う。

「全日本が終わったあとに、箱根2区で起用したいなと思ったんですけど、アキレス腱を痛めてしまって、練習が不十分な時間が続いていたんです。ここ数日もいい状態ではなかったので、それを考えればよくやってくれたと思います」