2019.12.28

箱根駅伝の歴史を國學院大が動かす。
往路Vだけでなく総合優勝も視野に

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by Kyodo News

箱根駅伝2020 有力校はココだ!  
戦力分析 國學院大学編

 箱根駅伝13回目の出場にして、"5強"の一角に挙げられるようになった國學院大。総合14位に終わった前々回大会が、急上昇の転機になった。

出雲駅伝で三大駅伝の初タイトルを獲得した國學院大 現在4年生となった3人、浦野雄平が1区で区間2位、青木祐人が3区で区間5位、土方英和が4区で区間3位と好走。当時の"2年生トリオ"の活躍を見て、國學院大を「箱根常連校」に押し上げた前田康弘監督が思い切った強化策を打ち出す。翌年、土方を3年生にして主将に指名するなど、「2年計画」で強化を推し進めてきたのだ。そして昨季は、全日本6位、箱根7位と両駅伝で過去最高成績を残した。

 今季はチームスローガンである「歴史を変える挑戦」に果敢に挑んでいる。5月の関東インカレ2部で、浦野が5000mと1万mで日本人トップを飾ると、土方がハーフマラソンで優勝。9月の日本インカレでは5000mで浦野が5位(日本人2位)、1万mでは土方と藤木宏太(2年)が3位と4位に入り、日本人ワン・ツーを飾るなど長距離種目を沸かせた。

 そして10月の出雲駅伝で快挙を果たす。1区:藤木が5位で好発進すると、2区:中西大翔(1年)で3位に浮上。エースが集まった3区で浦野が区間新(区間3位)の快走でトップ争いに加わった。4区:青木と5区:茂原大悟(4年)は粘りの走りを見せて、トップ駒澤大と37秒差の4位で最終6区へ。最後は主将・土方が10.2kmを日本人最高の29分05秒で走破して、駒大を大逆転。三大駅伝で初タイトルを獲得した。出雲は過去最高10位から、三大駅伝では過去最高6位からのジャンプアップだった。

 しかし、期待を集めた全日本は苦戦する。プランどおり、2区:浦野で12位から4位に急上昇するも、3区:藤木で9位に転落。7区:茂原も区間17位に沈み、7位でゴールした。大学初となる2年連続でのシード権獲得となったが、「3位以内」という目標を果たすことはできなかった。直前に2区と3区の区間を入れ替えたことが裏目に出て、アンカー土方も終盤は腹痛に苦しみ、伸びなかった。

 それでも全日本では、故障の影響で出雲を外れた島﨑慎愛(2年)が1区を走り、学生三大駅伝を経験。中西大翔は出雲に続き、全日本も4区4位と好走した。その双子の兄・唯翔(1年)も6区を区間5位で走るなど、箱根未経験者が本番に向けてステップを踏んでいる。