2019.11.06

箱根で東海大を脅かすのはどこか。
ライバル校の強みがそれぞれ見えた

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

東洋大の絶対的エースに成長している相澤晃 東海大の両角速(もろずみ・はやし)監督は、全日本大学駅伝を優勝で終えられた要因を「5区を走った市村朋樹が、東洋大の西山和弥くんを逆転できました。それが以降の選手たちに、優勝しなければいけないというものを印象づけたと思う。それが大きかったです」

 そして、8区の名取燎太の快走で優勝を決めた。4年生のエース級4人を起用できない状態ながらも、今年の箱根駅伝を制した東海大が層の厚さを見せつける結果となったが、箱根駅伝へ向けては、ライバル校もそれぞれ底力の片鱗を見せる、面白い展開だった。

 その先鞭をつけたのは東洋大。酒井俊之監督が勝負をかける区間にしたのは3区だった。学生ナンバーワンと評される相澤晃(4年)を配置してレースの主導権を握る作戦だった。相澤はその期待どおりの快走を見せた。

「監督とは10kmを27分台で入ると話をしていたので、最初の5kmは13分50秒くらいかなと思っていました。出雲駅伝の時は調子が悪くて5kmを14分10秒でしかいけず、東海大の塩澤(稀夕)くんにつかれてしまったので、今回抜く時は、ダッシュをしてつかれないようにしました。

 それで自然にタイムが速くなって、2kmで早稲田大の中谷(雄飛)くんを抜いた時にタイムを見たら1km2分40秒だったので、『今日は(体が)動くな』と思ってそのまま行きました。先頭とは40秒差でタスキをもらった時には見えていたので、前半でトップに立って後半は我慢だと思っていました」

 こう話す相澤は、5kmを13分42秒で走って中間点を少し越えた6km過ぎでトップに立つと、10kmを27分47秒で通過。11.9km区間を、前回東海大の舘澤享次が出した記録を1分8秒も更新する驚異的な区間新で走り抜けた。

 続く4区は、箱根6区のスペシャリストで区間新を狙う今西駿介(4年)が、東海大に13秒詰められたが、区間2位でしっかり走った。5区に起用されたエースのひとりの西山和弥(3年)は、酒井監督が「足の痛みがまだ少し残っていて練習が足りず、スタミナがない」という状態で、7km過ぎから東海大の市村に一気に詰められて逆転された。さらに6区でも差を広げられると5位に落ちた。