東京五輪4×100mで金メダル獲得のために、日本は何をすべきか? (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Nakamura Hiroyuki

 また、サニブラウンも「走力の部分をもう1、2段階上げていかないと金メダルは見えてこない。僕自身はバトン練習もそうですけど、個人としてもっと速くならなければいけないし、3本のレースでしっかり力を出し切れる強さが必要ということを感じた大会になった」と話す。

 今回、100mで9秒台を持つ小池を外したメンバーでアジア新を出したことに意味があった。土江コーチは、層が厚くなっていると話す。

「どのメンバーになっても、誰がどこを走ることになってもタイムはそれほど変わらないチームになっている」

 これまでなら、9秒台の選手を少し調子が悪いからと言って替えるようなことはなかったが、それができるようになったことは強みであり、実際にそうしたということは、各選手の意識を変えることにもなる。

 決勝を走らなかった小池を含め、出られなかったケンブリッジ飛鳥(ナイキ)や、マイルリレーに回った飯塚翔太(ミズノ)、代表に入れなかった山縣亮太(セイコー)らも、走力を上げて本番に調子を合わせられれば、メンバーに入れるという目標を持つだろう。

 今回の世界選手権は、結果以上に競争を活性化したという意味で、大きな成果を得た大会になったと言える。

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