東海大駅伝の口下手な新主将は、3年生のスター軍団をまとめられるか (4ページ目)
春日は「湊谷は主将としては自分と似たタイプ」とみているが、それゆえに心配なとこがあるという。我が強い3年生とうまくかみ合わない場合、いろいろと考えすぎてしまい、競技に影響してしまうのではないか、ということだ。
「そこがちょっと心配かな。そういう時、あいつの精神面が心配ですけど、基本的にみんなの信頼が厚い選手。あいつが言えば、みんないうことを聞くでしょ」
春日は、最後は湊谷の人間性が信頼を得るとみている。だが、湊谷自身は春日が言うほどチームをまとめることを楽観的にとらえていない。
「なんかミーティングで僕の言っていることとか、みんな聞いているのかなって思う時があるんですよ。高校の時とかは主将が話をするとビシッとして聞いていたと思うんですけど、大学生になると違いますね(苦笑)。たぶん聞き流されてます。これからチームをまとめていくのは大変ですけど、それも経験かなって思ってやるしかないですね」
今年のチーム目標は「長距離5冠達成」になった。関東インカレ、全日本インカレ、出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝を制するということだ。テーマは、「速さを強さに」と決めた。前回の箱根で5位に終わった時、両角監督が「うちは、速さはあるけど強さがない」と漏らしたことが、そのままチームのテーマになっている。
「長距離5冠は、昨シーズンの結果を見るとインカレ2つと出雲は獲れているんで、残りは全日本と箱根だけ。全日本は最後負けたけど十分戦えていたし、箱根はなんで負けたのかなって考えると、ミスが多かったと思うし、ほとんど自滅だった。
今年の選手の持ちタイムを見ていくと、チームとして勝てる力はあるし、その力をしっかりと出し切ることができれば、結果はついてくると思うんです。だから、5冠は決して無理な目標じゃない。そのために今年もスピードを強化しつつ、その磨いた力を出せるか。それを活かせないのは人間的な強さ、粘り強さ、我慢強さ(の不足)だと思うので、人間力を強くしてスピードを強さに結びつけていきたいと思っています」
昨年は出雲駅伝で10年ぶりに優勝し、全日本駅伝は最後のアンカー勝負で負けたが準優勝だった。その勢いで箱根を獲るかと大きな期待が寄せられたが、甘くなかった。しかし、だからこそ今年の東海大に対する期待は大きい。実力があり、選手層も厚い。5連覇を目指す青学や強敵・東洋大を倒せるチームは、今季も東海大が最有力候補であることは間違いない。
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