箱根にはない緊張感。神野大地が「ほろ苦い初マラソン」を詳しく語る (5ページ目)
しかし、不思議と「このまま最後までいけないのではないか」という不安は感じなかったという。むしろ13kmを過ぎると、なぜだかわからないが、このペースならこのまま残り30kmを余裕でいけるかもしれないと思えた。
集団の後方に位置していた神野は、そこからスルスルと先頭集団の前方に上がり、ペースメーカーの後ろに張りついた。その展開を「出入りが激しい」と解説者が指摘したが、神野は覚悟を決めてペースメーカーの後ろにつき、いけるところまでついていこうと決めたのだ。
それからわずか1kmを過ぎた時だった。
「最初のアクシデントが起きたんです」
神野は厳しい表情でそう言った。
(つづく)
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