「いつまでも箱根じゃない」。
神野大地、初マラソン直前インタビュー (3ページ目)
「1カ月ぐらい前はでき上がった自分の体をうまく使いこなせていない感じだったんです。今まで使っていなかった筋肉や足なので。そのためちょっとスランプみたいになったんですけど、今はそれに慣れて乗りこなせるようになってきた。出力は春とは全然違うので、最初からどう力を出していったらいいのか。どう耐えていくのか。それをリハーサルできていないことだけが不安ですね」(神野)
実戦でいろいろなことを試す機会が11月の東日本実業団対抗駅伝だったのだが、神野は欠場になった。出力を試したり、腹痛の薬を試すことができず、福岡国際に向けてマイナスポイントになった。
「まぁ、そんなこともあります。すべてがうまくいくことは難しいですよ」
神野は涼しい表情で、そう言った
だが、言葉や表情からは自分への確固たる自信が見て取れる。
――ここまで40kmを何本走ってきたのですか。
「6本です。最初は、40kmを走る時、35kmぐらいからペースが落ちてしまう選手がチームにいたので、そこをクリアできるか、2時間10分で走れるのかという不安があったんです。でも、最初の1本目で、しっかり走れたなという印象がありました。6本目の40km走では2時間10分で走れましたし、40kmを走るたびに走りのレベルが上がってきたなと感じているので距離への不安は一切なくなりました」
――6本中、5本が42.195kmでした。練習では40km走が普通ですが、2.195kmにこだわったのはどういう理由からですか?
「たかが2.195kmですけど、その差は最後に出てくると思うんです。40km走をしていて、35kmで残り5kmと7kmでは全然違うんですよ。マラソンは一番きつい最後でどれだけやれるかだと思うので、僕は2.195kmに力を出し切れるようにこだわって練習をしてきました」
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