【東海大・駅伝戦記】エースも復活。出雲は「誰を使ってもいい状態」 (6ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text by Sato Shun  photo by Kitagawa Toshihiro /AFLO

「3年生は、それぞれ持ち味が違うんでね。湊谷と湯澤は長い距離で結果を出してくれればいいですし、三上は今日しっかりと結果を出してくれたのでよかったと思います。

 ただ、今日(5000m)の流れを作ってくれたのは川端ですね。前半積極的に行ってくれましたし、夏合宿もチームを引っ張ってくれました。彼自身は今、調子がいいわけではないと思うんですが、後輩たちの走りを引き出した川端の走りはすごく評価したいですし、4年生の頑張りが見受けられたと思いますね。

 關はよかったですし、鬼塚は途中諦めかけたけど、最後は28分台でしっかりと上がっていますし、悪いなりに動かせたというのが絶対にある。次はもっと動いていけると思いますので、特に心配していません。松尾はひとつ吹っ切れた感じがある。ただ、出雲までまだ2週間あり、そこでの変化もあるのでギリギリまで考えます」

――手応えはあるのでは?

「勝負は甘くないですから。駅伝は流れなので、それを作れるかどうかですね」

 両角監督は慎重な姿勢を崩さなかったが、表情には余裕が感じられた。阪口が好調を維持しており、關、鬼塚は夏合宿の疲労が抜けてきて、よりパワーアップした姿を見せた。三上と松尾も結果を出し、塩澤も安定している。國行は日体大では13分58秒70を出し、さらに9月30日の世田谷記録会では5000mで13分51秒42を出した。昨年4区を走った川端も両角監督は高く評価している。館澤は日本インカレでメンタル面での課題が出て、今もスピードから"距離"への転化に若干苦しんでいる。試合に向けて館澤のよさを出せるようトレーニングで調整していくことになるというが、経験のある選手なのでうまくピーキングをしてくるだろう。

「出雲に向けて誰を使ってもいいという状態になりました」

記録会が終わった後、西出コーチは、自信に満ちた表情でそう言った。出雲駅伝に向けて、役者が揃った。

(つづく)

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