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東海大の夏合宿。「駅伝のスパートが
変わる」高地トレーニングに密着 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun


 今夏、東海大学は8月5日、白樺湖で全員参加の1次合宿をスタートさせた。その後、選抜組の長野・菅平合宿、日本インカレ出場組+アメリカ合宿組の長野・高峰高原合宿に分かれ、それを終えるとそのまま白樺湖で17名による3次合宿に入った。ただ、關颯人(せき はやと/2年)、鬼塚翔太(2年)、阪口竜平(2年)の3選手は高峰高原合宿後、アメリカ・フラッグスタッフにある北アリゾナ大を拠点とした2週間の高地合宿に入っており、3次合宿には参加していない。

 東海大の夏合宿、特に白樺湖3次合宿は単に駅伝対策というよりも、それぞれが掲げるテーマや目標達成のために個を重視したものになっている。それは両角監督の「世界に通じる選手を育成する」という指導哲学に沿ったものだ。実際、全員が集合して練習するのは週2回のポイント練習と早朝練習以外ほぼない。たとえば午前中のスケジュールを見てみると、あるグループの選手たちは治療と休養、あるグループは女神湖まで往復のジョグ、あるグループは山登りの練習をするという感じだ。メニューにある練習以外はジョグや追加練習も含めて選手の自主性に任せている。

 食事は、白樺湖合宿ではホテルの他の客と同じビュッフェスタイルで、しかも個々の練習終了時間や治療時間が異なるので各自で摂る。ビュッフェなので野菜、肉、魚、スイーツなどあらゆるものが好きなだけ摂れるが、食べ過ぎないように、栄養が偏らないように体調面を含めて自己管理能力が求められる。ちなみに食事は選手用のテーブルが確保されているので夏休みでホテルが混雑している中でも、自分のタイミングで食べられるようになっている。

 部屋は20畳ほどの大部屋で1年生から4年生まで13名が雑魚寝しており、隣の大部屋には高度4000mまでの酸素濃度を設定できる低酸素テントで睡眠をとる館澤ら4名と西川主務が寝ている。大部屋にテレビはなく、練習後に洗った洗濯ものが干され、混沌としており、まさに「ザ・合宿」という雰囲気だ。上下関係があまり厳しくなく、練習以外は和気藹々(あいあい)という雰囲気なので、こういう形でも選手はストレスなく合宿を過ごせるのだろう。

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