神野大地が世界陸上視察で悟った「マラソンで外国選手に勝つ走り方」

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

真っ黒に焼けた神野大地。表情に自信と余裕がうかがえた真っ黒に焼けた神野大地。表情に自信と余裕がうかがえた神野プロジェクト Road to 2020(5)

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 神野にとって、初の70km走が終わった――

 前日、中野ジェームズ修一は「着地、蹴り上げをどれだけ長く同じ感じで続けられるのか」をチェックしていくと言った。個人的に神野の走りを後ろから見た感じでは最初から蹴り上げが力強く、ガニ股走りのフォームが修正され、気持ちよく走っているように見えた。中野はどう見ていたのだろうか。

「今日の神野の走りにはビックリさせられました。練習での走りだと、こういうトレーニングをしてきたので、このくらいでいけるなっていう予想がつくんです。でも、神野は私の予想をことごとくいい意味で裏切ってくれた。

 40kmぐらいでペースが落ちていくだろうなと思ったけど落ちなかったし、蹴り上げも最後までできていました。フォームもまだ修正中なので、後半は着地が外側にズレるだろうなって思ったけど、内側から着地していた。タイムも含めてすべて私の予想を超えましたね。これまで私が思う以上に体のケアを念入りにしたり、宿題を出した以上に自分でトレーニングしたり、神野個人が相当頑張ってきたんだろうなって思いました」

 神野の走りは、中野が期待していた以上のものだった。課題をクリアし、フォームの改造もうまく進行している。

「今後のトレーニングスケジュールを上方修正していかないといけないですね。スケジュールやメニューを練り直します。ただ、今日の課題でいえば、もう少し前傾させたいですね。1kmを3分ぐらいにスピードが上がって蹴り上げを強くしていくと普通は前傾になるんですが、神野は体が起きてくるんです。そこを自然と前に倒せるようにしたい」

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