桐生が壁をぶち破る。日本は「東京五輪で9秒台がゾロゾロ」となるか (6ページ目)
その山縣だけではなく、世界選手権で勝負ができることを証明したサニブラウン・ハキーム(東京陸協)や、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)、多田など、桐生の日本記録に挑もうとする選手は多い。
日本陸連の苅部俊二男子短距離五輪強化コーチも「これまで4継は10秒台の選手ばかりでメダルを獲って評価されていますが、それは足は遅いけどバトンパスでメダルを獲っているだけということになるので......。でも9秒台の選手が出てきたことで、世界の仲間入りをしたのかなという感じがします。これで桐生に続く選手も何人かいると思うので、その点では陸上界も明るくなると本当にホッとしています」と評価する。
このあと日本勢が目標にしていくのはフェミ・オグノデ(カタール)が持つ9秒91のアジア記録になるだろう。それに向けて複数の選手が一歩一歩前に進んでいく。さらには環境に恵まれた国内だけではなく、条件の厳しい海外のレースでも9秒台を出せるようになることが、2020年東京五輪へ向けては必要になる。桐生の9秒98は、その通過点になる第一歩だ。
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