2017.08.08

女子マラソン、日本は入賞ゼロの屈辱。
「遅くても強い」米国との違い

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • ptoto by PHOTO KISHIMOTO

粘りの走りを見せたものの、結果につながらなかった清田真央 初マラソンで2時間21分36秒を出した安藤友香(スズキ浜松AC)と、2012年ロンドン五輪代表で2大会連続出場となるベテランの重友梨佐(天満屋)、そして安藤と同い年で同じチームの清田真央が出場した、世界陸上の女子マラソン。気温19度で陽差しも強いなか、レースは夏の大会特有の遅い展開から一気のペースアップで決着がつく、日本勢には厳しいレースとなった。

 アフリカ勢を中心としたメイン集団は、スタートからの5kmを18分01秒、10kmまでを17分42秒、15kmまでを17分48秒と超スローペースで走った。街中の10km周回コースは、路面条件が多様なだけでなく、上り坂や直角のカーブ、細い道路もあって体への負担がジワジワとかかる。

 通常のレースでは、給水などで意識的にペースを変化させるなかで、徐々に人数が絞られていくものだが、このレースは、リオデジャネイロ五輪2位のユニス・キルワ(バーレーン)や世界選手権11年、13年連覇のエドナ・キプラガト、前回大会2位のヘラー・キプロプ(ともにケニア)などが、牽制し合って動けない状態になっていた。

 レースがやっと動いたのは、35kmを過ぎてから。リオ五輪9位のエイミー・クラッグ(アメリカ)が仕掛けると、集団は9人に絞られた。さらにゴールが近づくと今度はリオ五輪8位のローズ・ケリモ(バーレーン)が仕掛け、クラッグとチェイエチ・ダニエル(ケニア)を振り切って、キプラガトとのマッチレースに持ち込む。

 この間の5kmのラップは16分19秒。その前の17分55秒から一気に加速した。最後はラスト1kmを過ぎてからケリモが競り勝ち、2時間27分11秒で優勝。2位にはキプラガト、3位には追い上げてきたクラッグが同タイムの2時間27分18秒で入り、4位は3秒遅れでダニエルと、最後まで大きなタイム差がないレースとなった。

 日本勢にとって問題だったのは、安藤と重友が、レースが動く前の時点で早々と脱落していたことだ。