柏原竜二は真剣に思う。「スポーツとサブカルを結びつけられないか」 (3ページ目)
マネージャーとして行なうのは、さまざまな雑務だ。練習の手伝いやビデオ撮影のほか、選手が会社に提出する書類作り、試合会場での荷物おろしなどを担当。さらに、試合後にはプラカードを持ち、ファンをサイン会へ誘導する係も務める。
徐々に仕事に慣れてきた頃、チームの選手から「柏原さんもサイン会に参加しませんか」と提案された。それまでは黒子役に徹してきた柏原だが、6月に行なわれるパールボウル(東日本社会人選手権)準決勝の後に、サイン会の席に着くことを決意する。その前にチームがブロック戦で敗退したため実現はしなかったが、自分の知名度の活かし方を考えるきっかけになったという。
自身がマネージャーを務めるアメフト部の西村豪哲(右)と、女子バスケ部の高田汐織(左)に挟まれ、笑顔の柏原 「6月にアメフト部のマネージャーをやっていることを発表した時も、引退して2カ月経っていたのに意外と話題になっていたので、『ちょっと面白いことができるのかな』と思いました。今回の取材も、写真撮影は『アメフト部と、バスケットボール部(富士通レッドウェーブ)の選手も一緒に』とわがままを言わせてもらいましたよね(笑)。そこには、僕がその2人と並んでいるのを見た人が、『面白いと思ってくれるんじゃないか』という狙いがあったんです。
箱根駅伝で注目してもらって、ここまで陸上競技を続けてきたからこそ、そのギャップを生じさせることができる。競技者としては大成しませんでしたが、僕だからできる"次の一手"は何なのか、楽しく探させてもらえています」
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