女子マラソンの新星たちは、世界陸上で「日本の自信」を取り戻せるか (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 その中で石井が9km過ぎから遅れ始め、19km付近では清田も遅れ出した。だが安藤だけは「15~20kmの間で苦しい時もあって、不安になった」と言いながらも、ラップタイムを気にせず、キルワにつくことだけを考えて、中間点を1時間10分21秒で通過。ふたりだけになったあとも27km過ぎと30km過ぎのキルワの揺さぶりに耐え、途中ではキルワから「横に並べ」と手で合図されるほどだった。

 高橋尚子は00年シドニー五輪で26km過ぎからリディア・シモン(ルーマニア)との並走になった時のことを、「一緒に走っているのがすごく気持ちよくて、このままずっと並んで走っていきたいと思った」と話していたが、安藤も初マラソンでそんな気持ちよさを感じて走っていたのかもしれない。

 結局、33km過ぎからキルワが1kmを3分15秒に上げた仕掛けには対応できず、35km通過時には7秒差をつけられた。しかし、そこからも大崩れすることなく、ラスト2.195kmもキルワに1秒遅れるだけの7分21秒で走り、19秒遅れの2時間21分36秒で2位ゴール。

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