【月報・青学陸上部】箱根を走れなかった男たち、それぞれの想い
極私的! 月報・青学陸上部 第26回
箱根駅伝3連覇のウラには、さまざまなドラマがあった キャプテンの安藤悠哉(4年)がトップで大手町に戻ってきた。
フィニッシュラインで一色恭志(4年)とともにタオルを持って待っていた茂木亮太(4年)は「あんどー」と大きな声を上げた。4年生の同志として1年間ともに頑張ってきた安藤がアンカーとしてトップで戻ってきてくれたことが本当にうれしかった。ゴールに飛び込み、崩れるように落ちた安藤をしっかり支えた。箱根駅伝を走ってきたという重みをずっしりと感じた。
――勝ててよかった。でも、やっぱり走りたかったな。
これまで何度も拭い去った思いが最後にもう一度、膨らんだ。
箱根駅伝3連覇を達成した青山学院大。箱根駅伝は16名がエントリーされ、10名が出走。6名が残念ながら箱根を走ることが叶わなかった。茂木は、そのひとりだ。
今シーズンは故障もなく、無事に夏季合宿を終えることができた。出雲駅伝前の学内TT(タイムトライアル)では1位になり、そのままの勢いで出雲駅伝5区を走り、優勝に貢献した。原晋監督には「長い距離を練習して10区を走れるようにやってくれ」と言われた。このまま初の箱根駅伝出走に向けて、いい流れができたかに見えた。
ところが突然、調子が暗転した。
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