【月報・青学陸上部】苦しんだ下田裕太は『君の名は。』に学んで走る

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun  photo by Aflo

極私的! 月報・青学陸上部 第23回

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原監督が3連覇のキーマンに挙げた下田裕太。写真は5月の関東インカレ時原監督が3連覇のキーマンに挙げた下田裕太。写真は5月の関東インカレ時 2017年の第93回箱根駅伝で3連覇、3冠達成がかかる青山学院大学陸上部。エースの一色恭志(4年)を始め、"駅伝男"の田村和希(3年)、下りの達人・小野田勇次(2年)ら強力なメンバーがいる中、原晋監督が今回のキーマンに挙げたのが下田裕太(3年)だった。

 原監督が3連覇のキーマンに挙げた下田裕太。写真は5月の関東インカレ時

 下田は2016年の箱根駅伝で8区を任され、区間賞を獲得する走りで2連覇達成に貢献。その激走とアニメ好きの明るいキャラクターで一躍、人気者になった。

 さらに2月には東京マラソンを走り、先輩の一色恭志を抑えて日本人2位(2時間11分34)になり、駅伝を走る選手はマラソンで結果を出せないというジンクスも軽く破った。
 
 原監督を始め周囲も、今年の下田は昨年以上にやってくれるだろうと期待した。そうした声に応えるべく下田は、この頃、重大な決心をしていた。

「もっと上を目指すために、フォームを修正する」

下田の感覚でいうと、コアをしっかり鍛えて、上半身を使い、しなるようなフォームが理想だという。その完成を目指してスタートしたが、春のトラックシーズンはフォームが固まらず、なかなか調子が上がらなかった。

 5月の関東インカレ10000mでは8位(29分14秒04)に入賞したが、自身は「だらしないレース」と、現状に苛立った。同月末の世田谷記録会の5000mでは14分21秒99で16位と低迷。6月の学生個人選手権も5000mで平凡なタイムに終わった。

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