明暗分かれた「山の神」たち。3代目・神野はニューイヤー駅伝で輝けるか (4ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by AFLO

 では、3代目「山の神」はどうなのか。今井や柏原を上回るスピードで箱根の山を駆け上がった神野は、コニカミノルタに入社後、ここまで順調にキャリアを重ねてきた。5月のゴールデンゲームズ1万mで28分37秒71、7月のホクレンディスタンス網走大会1万mで28分17秒54をマーク。大学時代の1万mベスト(28分41秒48)を2度も更新した。

 11月の東日本実業団駅伝では最長2区を任されて、区間3位と好走。チーム順位を5位から2位に引き上げている。「山の神」対決となった11月27日の甲佐10マイルでは、今井を抑えて、46分38秒で優勝するなど、この1年間で大きく成長した。神野の実力、適性、チーム状況などを考えると、エース区間の4区か、上り区間の5区が有力だ。ただ、神野は体重45kgの軽量ボディ。赤城おろしの空っ風にうまく対応できるかという不安もある。

 神野は2020年の東京五輪をマラソンで狙っているが、所属するコニカミノルタはトラックや駅伝での活躍は目立つものの、マラソンではあまり結果を残してない。日本人のチーム最高記録は、今年3月に引退した黒﨑拓克が2014年の東京マラソンで記録した2時間9分07秒。その先、神野はマラソンで成功することができるのか。まずはデビュー戦となるニューイヤー駅伝で強さを見せつけたい。

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