【月報・青学陸上部】箱根駅伝へ
向けて学内サバイバルが始まった (4ページ目)
「監督から『突っ込んでいけ』という指示が出たということは1区かなと個人的に考えています。自分も1区をずっと想定してきましたし、1区は中学から走ってきたので自分の原点でもあります。緊張はありますが、やりがいがありますよね。最終的には監督が決めることですし、チームの事情もありますから、僕は言われた区間で走るだけです。ただ、1区を想定していれば、どこの区間でも走れると思うので、そのイメージはずっとしていこうと思っています。自分は大舞台が好きですし、その方が力を発揮できるんで、早く走りたいですね」
言うこともやることも1年生とは思えないスケールの大きさを感じさせる。このまま故障なく順調にいけば、鈴木の1区はほぼ間違いないかもしれない。
鈴木の快走の陰に隠れた感があったが、吉永の走りも見事だった。
全日本では緊張が解けぬままスタートし、それが走りにも影響した。肩周辺の筋肉が硬くなり、思ったよりもスピードが上がらなかった。田村和からトップで渡された襷(たすき)を維持できず、早稲田大に15秒差をつけられた。いつもの走りができれば、逆に15秒差以上をつけられると思っていたそうだが、区間5位という結果には本当にガッカリしたという。大会後、原監督から「世田谷ハーフをしっかり走れば、箱根復路の後半区間はいけるからしっかりやれ」と激励され、この日を迎えた。
「全日本でいい走りができなかったですし、そこで箱根を決められなかったので、この世田谷ハーフで監督がもう1回チャンスをくれた感じです。でも、前半に突っ込んだ分、後半登りで足が止まってしまってヤバかったです。そのせいでラスト5kmで塁人と差がついた。結果は......全体4位で学内は2位だから一応合格かなぁ。でも、危なかった。ここを外したら箱根なかったと思うんで」
吉永は、そう言って苦笑した。
全日本の悔しさを噛み締めて吉永は世田谷ハーフで結果を出した。これで12月の箱根選抜合宿に参加し、椅子取りレースに挑戦する権利は得られただろう。
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