【月報・青学陸上部】エースの目にも涙。4年生の快走で出雲を制す (5ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun   photo by AFLO


 一色は冷静だった。相手の出方を伺いつつ、出雲大社の前の下りにさしかかると一気に前に出た。そこからスピードを上げ、東海大を突き放した。

 出雲大社からは単独走になった。沿道の応援を受け、自分のペースで走れば、ニャイロに抜かれることはない。ゴールの白い出雲ドームが見えてきた。いろんな思いがこみ上げてきた。

 2時間10分09秒、出雲駅伝2連覇を達成。 

 最大のライバル山梨学院大に31秒差をつけての快勝だった。
 
 歓喜のゴールをした時、どんなポーズを取ったのか忘れてしまった。それほどレースに集中し、疲労困憊だったのだ。呼吸を整えて、気持ちを落ち着かせた。すぐにテレビのインタビューで壇上に上がった。優勝の感想を聞かれると、思わず涙が溢れた。

「最後まで気が抜けないレースだったのでホッとしたのもありますが、4、5区で茂木と安藤の4年生が快走してくれたし、最後の出雲で4年生と一緒に走れた。優勝は自分たちが勝ち取ったという思いが強かったので、うれしさがキャパオーバーして涙してしまいました」

5 / 8

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る