東京マラソンの日本勢惨敗。もう、世界との差は埋まらないのか......
今や世界のメジャーレースのひとつになった東京マラソン。日本勢は今夏のリオ五輪の男子代表選考会を兼ねていたが、「無様な結果」が待ち構えていた。
全体で13位(日本人5位)という結果に、肩を落とす今井正人。
レース序盤から「世界」を意識した戦いができなかった。7㎞付近で外国勢がペースアップすると、日本勢は早くも引き離される。「今井(正人)さんしか見ていなかったので、ペースを上げたのが分からなかった。気づいたら差がついていたんです」と村山謙太(旭化成)が慌てて追いかけた。
しかし、他の日本勢は海外勢との勝負をあきらめて第2グループを形成。五輪選考の意識も働き、誰もペースメーカー役を引き受けなかった。中間点でトップ集団に約2分差をつけられ、30㎞付近まで大集団のスローペースが続いた。
日本勢で唯一、積極果敢なレースを見せた23歳の村山は、なぜ他の選手がついてこないのか不思議に思ったという。「前方で走らないと優勝は無理ですし、日本人トップを狙うレースでは世界と戦えない」と迷いはなかった。
村山は快調にレースを進め、中間点を1時間2分53秒で通過する。好タイムの期待が高まったが、その村山も22㎞付近でトップ集団から脱落。右足にできたマメが割れ、「爪先から麻痺してきて、全身の力が入らなかった」と一気にペースダウンした。「吸収されたら終わりだと思っていた」という日本マラソン界の新星は、35㎞過ぎに後続の選手たちに飲み込まれた。
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