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桐生だけじゃない。9秒台を狙うスプリンター、髙瀬慧に注目!

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi photo by Nakamura Hiroyuki

 3月にアメリカのテキサスリレーで桐生祥秀(東洋大)が追い風3・3mの参考記録ながらも9秒87を出して優勝。日本人の9秒台突入に注目が集まっている。桐生はその後、4月19日の織田記念では走りのリズムを崩して3位に止まったものの、5月2日の世界リレー(バハマ)では3走を務めて日本の銅メダル獲得に貢献した。

 だが、桐生は関東インカレ(5月14日~16日)準決勝で左脚ハムストリングス筋がつってしまい、決勝を棄権すると、ダイヤモンドリーグ・ニューヨーク大会出場を目指して練習していた5月30日にケガをしてしまった(右太股裏肉離れ)。全治6週間と診断され、6月26日からの日本選手権を欠場する。また、桐生とともに9秒台候補と目されていた山縣亮太は腰痛が再発し、日本選手権に出場するものの調整不足は否めない。

 すでに、5月末のダイヤモンドリーグ・ユージーン大会で、中国の蘇炳添(そへいてん / スー・ビンチャン)が9秒99を出しており、アフリカ系以外のアジア人の9秒台突入争いで先を越されてしまった。そんななか、日本人初の9秒台を出す可能性を持つスプリンターとして注目され始めているのが、26歳の髙瀬慧(たかせけい/富士通)だ。

5月のゴールデングランプリ川崎で中国の蘇(写真右)に競り勝った髙瀬5月のゴールデングランプリ川崎で中国の蘇(写真右)に競り勝った髙瀬  もともと200mと400mを専門にしていた髙瀬は、高3のインターハイでは両種目ともに準決勝で敗退していた。その後、順天堂大に入ってから徐々に力をつけ、4年になった2010年には関東インカレの400mで優勝。実業団の富士通入りした11年には200mの自己記録を20秒53まで伸ばし、同年の日本ランキング2位になった。

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