【箱根駅伝】本番を見据えて予選を通過した山梨学院大

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 来年1月2日、3日に開催される第91回東京箱根間往復大学駅伝。すでに出場が決まっているシード校10校以外の出場校を決める予選会が10月18日、行なわれた。出場者全員が20kmを走り、上位10人の合計タイムで競う予選会を通過したのは(1位から順に)神奈川大、国学院大、東海大、山梨学院大、中央学院大、上武大、中央大、順天堂大、城西大、創価大の10校だった。

 レース終盤は暑さも敵となった予選会。上位10人の合計タイムが10時間07分57秒で4位に止まった山梨学大の主将、井上大仁(4年)は「トップ通過を狙っていたのにできず、自分自身も中盤から余裕が無くなって後半伸びきれなかったのが悔しい。今後へ向けて課題が残ったので、これから克服していきたい」と悔しがった。だが上田誠仁監督の表情には余裕があった。

先頭集団を走る山梨学院大のエノック・オムワンバ(中央)先頭集団を走る山梨学院大のエノック・オムワンバ(中央)「今回は目標タイムを、少し高い水準で考えたものと、最低限のものと、2種類設定しました。今日はレース後半、気温が上がりそうな状況でしたが、今後の全日本大学駅伝や箱根駅伝のことも考えると、ある程度速いペースで入らなければ上位校とは勝負にならない。予選会用の集団走ではなく、高いレベルで設定した個人の目標のペースで突っ込む走りをしなさい、ということでスタートしました。その分、終盤は暑さのせいで弱いところが多々あることも露呈したけど、それは反省材料としてこれから改善していけばいいと思います」

 レースは5㎞14分30秒のペースでいき、ラストは上げるという想定だったエノック・オムワンバ(3年)が予定通りに先頭に立った。それに5㎞までついていった井上は、村山紘太(城西大4年)が飛び出してオムワンバがそれを追走する形になってからは、第2集団でキッチリと走った。他のメンバーは6人が14分50秒台で入り、10㎞は30分06~08秒台で通過、それ以降は5km15分10秒前後のペースという走りをした。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る