【陸上】リオ五輪へ。頼もしい男子短距離陣の層の厚さ
今年9月末から行なわれるアジア競技大会に向けて、6月6日~8日に行なわれた日本選手権大会後、代表が発表された。
注目は男子短距離陣。男子4×100mリレーチームは5月25日にバハマの世界リレー選手権で5位に入り、来年行なわれる世界選手権の出場権を獲得している。
大雨の中で行なわれた日本選手権。100mで9秒台には届かずとも1着の桐生祥秀(中央) このときのメンバーは、桐生祥秀(東洋大)、高瀬慧(富士通)、飯塚翔太(ミズノ)、大瀬戸一馬(法政大)の4名で、日本陸連の伊東浩司男子短距離部長は代表発表前に「世界リレー選手権がすばらしかったので、まだメンバー入れ替えの想像は出来ていないが......」と話していた。
だが日本選手権の結果を受けて、翌9日に発表された男子短距離代表は、個人種目100mで優勝の桐生と2位の山縣亮太(慶応大)。200mは派遣B標準を突破した優勝者の原翔太(上武大)と、派遣A突破済みで3位になった飯塚のふたりだった。
そしてリレー要員として200mで派遣Bを突破していた高瀬と藤光謙司(ゼンリン)が選ばれ、世界リレーで1走を務めた大瀬戸は、派遣標準を突破していないことと、100mが4位という結果に終わったことから落選。山縣と原が新たに加わるという結果になった。
日本選手権の代表争いは熾烈を極めた。特に男子200m。大会前には20秒21と派遣Aを突破している飯塚を筆頭に、20秒50の派遣B突破者が10人もいるハイレベルな状態。激しい雨の中で行なわれた6日の予選ではそのうち8名が出場したが、決勝には6名しか進めなかった。
同じく強い雨に見舞われた決勝では、そこに緊張がプラスアルファされる。そんな中で前半は、前日の予選で「調子がよかったのでトップスピードに上がるのが60m付近と早過ぎて、コーナーからの抜けで勢いをつけられなかった」と話していた飯塚が上手い走りをしてコーナーを抜け、自分の勝ちパターンに持ち込んだかに見えた。
しかし、そこから勝ちを意識し過ぎたのか伸びきらず、内側の高瀬、藤光と横一線で競り合う状態に。最後は後から伸びてきた原が割り込み、初優勝で接戦を制し、飯塚は3位になった。
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