2013.05.06

「次の目標は9秒96」。
桐生祥秀が巻き起こす日本短距離界の競争激化

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 藤田孝夫●撮影 photo by Fujita Takao

ゴールドカップでは10秒40で3位に入った桐生。外国人選手とのレースは初めてだった  5月5日のゴールデングランプリ男子100mには、9秒85のマイケル・ロジャース(アメリカ)を筆頭に、9秒台の自己ベスト記録を持つ3人と、10秒0台ながらも五輪や世界選手権で実績を残す2人の外国人選手が決勝に進出。日本人初の9秒台が期待されている注目の桐生祥秀にとっては、外国人選手と初の顔合わせとなった。

 向かい風1・2mと記録を狙うには厳しい条件の中、「普段のように行こうと思っていた。前半はぜんぜん緊張することなく行けた」という洛南高校3年生の桐生は、中盤までは格上の外国勢と互角に競り合った。

「スタートからの前傾姿勢の維持を、これまでより2歩増やしてレースに臨んだようだが、後半は今まで感じたことのないスピードにやられて並ばれてからは硬くなってしまっていた。だがこういう経験を積んでいくことで、これから伸びていくと思う」

 日本陸連の伊東浩司短距離部長がこう説明するように、後半は優勝したロジャースや2位のデリック・アトキンス(バハマ)に突き放された。

 それでも「ガーッと行かれてちょっと硬くなったが、織田記念の決勝の時のようにガッチリ硬くなった感じはなかった」という桐生は、9秒97のタイムを持つムーキー・サラーム(アメリカ)を0秒03抑え、10秒40で3位に入った。