【東京マラソンへの道】中島彩「ホノルルマラソンならではの貴重な思い出」 (2ページ目)

  • 中島 彩●文・写真 text & photo by Nakajima Aya

東京マラソンまで残り2週間。大雪が降らなくて本当に良かった!東京マラソンまで残り2週間。大雪が降らなくて本当に良かった!  ☆ ☆ ☆

●ぜひ行ってみたい、海外マラソン!

 海外まで走りに!?......と、引かないでください(笑)! 海外で走ってこそ、見られる景色、出会えるランナーがいるんです。有名な海外マラソンと言えば......そう、ホノルルマラソン! 私も2011年に参加してきました。まずはそのときのエピソードを紹介しながら、海外マラソンの魅力をお伝えできればと思います。

 ホノルルマラソンは、世界各地から約1万5000人のランナーが参加する大規模な大会です。ホノルルでは前々日からイベントやセールが催(もよお)され、街や会場は大混雑。街ですれ違う参加者は、みなさん完走が目標ですから、知らない者同士でも「See you tomorrow!」「明日、頑張りましょうね~!」と気さくな雰囲気です。普段の観光では味わえません!

 スタートは朝5時。私は夜中の2時に起きたのを覚えています。まだ真っ暗な最中に起きて、異様なテンションでスタート地点へ。すると花火がバンバンと上がって、いざ出走。クリスマスシーズンということもあり(毎年12月の第2日曜日に開催)、街は外国らしい華やかなイルミネーションで彩られています。そして街を離れると、ゴールまでずっと自然の多い道が続きます。海辺からハイウェイ、そしてゴールはダイヤモンドヘッド。景色のひとつひとつに感動し、持参したカメラでパチパチと写真を撮りながら走りました。

 ホノルルマラソンが人気の理由は、絶景コース以外に、実は「制限時間なし」というルールがあるからです。私にも「制限時間なし」を生かした自慢(?)の思い出があります。なんと私は、レース中に昼寝をしてしまったんです! 30キロ地点あたり、前日ほとんど寝ていなかった私は眠くて仕方なかったので、コース沿いにあった住宅の庭にゴロンと寝そべってしまいました。すると、芝生があまりにも気持ちよくて、まさかの爆睡(笑)! 30分後、私はその家のママの呼びかけで目覚めました。そしてママはアイスクリームをご馳走してくれ、冷たいタオルも渡してくれました。さらにはその家の子どもまで庭に出てきて、「頑張れ~」と励ましてくれたのです。ママは「熱中症じゃないのか?」と心配してくれましたが、さすがに「眠かった」とは言い出せず......。ホノルルマラソンは、制限時間がないからこそ、走ったり、食べたり、写真を撮ったり、歩いたり、そして寝たり(笑)と、自分のペースで伸び伸びと楽しめるんです! まぁ、日本ではレース中にコース沿いの家の庭で寝るなど、なかなかできませんが......。
 
 こんな感じで、日本のマラソンとはひと味違う海外大会。実は私、来たる3月2日、サイパンマラソンに挑戦します。しかも「50キロマラソン」です! どんな景色、どんなコースが待ち受けているのか、ワクワクが止まりません!

  ☆ ☆ ☆

●温かいおもてなし、『街おこし』マラソン!

 ホノルルマラソンとは一転して、『街起こし』を目的としたマラソンについて紹介します。かつての観光地だったり、新名所を作ったことで、街に来てもらうキッカケになればという思いでマラソン大会を開いているのです。私が参加したことのある大会は、毎年1月に開催される『みのかも日本昭和村ハーフマラソン大会(通称:みのかもマラソン)』。岐阜県美濃加茂市にある観光地「日本昭和村」をベースに、山々を眺めながら走るコースです。

『街おこしマラソン』の魅力――。それは「地元の人のおもてなしがすごいこと」なんです! みのかもマラソンの沿道では、町の人々が「お姉ちゃん、頑張れ!」と、ランナーひとりひとりに声援を送ってくれ、公式の給水エリアや給食エリアでなくても、「採れたてミカン」や「煎れたてコーヒー」などを大サービスしてくれるんです! 汗をかいていればタオル。鼻水が出ていればティッシュ。そしてゴールすれば、「手作りの豚汁」まで出てきます! 至れり尽くせりの大会なので、ランナーたちは「この街のコースは温かいなぁ」と、また来年も参加したくなるのです。

 市民マラソンの代表格、NAHAマラソン。この大会も「閑散期の12月にも沖縄に人を招致したい!」との思いが開催のキッカケ。今では、冬の沖縄の一大行事となりました。大会の翌日には首里城や国際通りで、筋肉痛になった足を引きずりながら歩く観光客(ランナー)の姿も見受けられます(笑)。
 
 このように、大都市マラソンとは違った大会が全国各地で開かれているんです。マラソン大会のエントリーサイト『RUNNET(※)』などを見ると、「完走した人には大根1本をお土産!」や「ご当地ゆるキャラと写真撮影できる!」など、ユニークな参加特典が記載されています。まだ話題になっていないけれど、「イケてる街おこしマラソン」が日本全国に隠れているはず......。私はどんどん参加して、街の魅力を探してみようと思っています! もしかして「街おこしマラソンをキッカケに、お嫁に行く」なんて未来も、あるのかも......(笑)。

(※)RUNNET=ランナーが大会にエントリーしたり、情報を共有することのできる代表的なポータルサイト

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