「僕の心に永遠に残る」「ベストを引き出してくれた」海外トップ選手が語り継ぐ国枝慎吾のレガシー (4ページ目)
【僕は僕のレガシーを残したい】
国枝の真摯な姿を間近で見てきたからこそ、ゴードンは「彼の決断を尊重しているし、おめでとうと言いたい」と優しく笑った。
残された者たちが語る言葉が、覚える寂寥感が、そして胸に灯す決意が、国枝が成し遂げたことの偉大さを浮き彫りにする──。
もはや記録でしか国枝と戦えなくなったヒューエットは、あらためて言った。
「誰かが立ち上がるべきだし、それは僕だと思っている。彼の記録に近づける力が、自分にはあると信じている。彼がそうしたように、僕は僕のレガシーを残したい」
偉大な王者が灯した炎は、あとに続く者たちに、確実に受け継がれている。
著者プロフィール
内田 暁 (うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。
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