パラ陸上競技で金メダル、佐藤友祈の強さの秘密。プレッシャーも緊張も言葉にして楽しむ (3ページ目)

  • 瀬長あすか●取材・文 text by Senaga Asuka
  • photo by Asahara Mitsuaki/X-1

「もともとパラスポーツについて知らなかったという方たちが、来場をきっかけにパラスポーツに興味を持ってくれたんです。僕のやっていたことは間違ってないなって感じられてさらに力をもらいました。SNSでファンの方々と交流する時間が練習にもすごく活きています」

 そう充実感を語っていた佐藤。現在、所属契約を結ぶモリサワの社員やSNSでつながった人たちによるオンライン壮行会で盛大に送り出され、決戦の時を迎えた。

 東京大会では400mでも1500mでもライバルのマーティンと激闘を繰り広げた。レース後、「怖さはなかったか」と尋ねる記者に対して首を横に振り、「僕の方が強いんだと、最後まで強い気持ちを持ち続けて走り続けることができた」と語った。勝つのは自分。常に金メダルという言葉を口にし、自らを信じたことが大舞台での勝利につながったに違いない。

「今回、パラリンピックレコードを更新して金メダルを2つ獲りました。次に残っているのは、世界記録を更新して2種目で金メダルを獲得することです。これは必ず達成します」

 パリこそ、有言実行。今大会は世界記録には届かなかったが、高い目標を口にしたことが金メダルの原動力になったことは間違いない。夢を持つ大切さを教えてくれる、プロアスリート佐藤の挑戦はこれからも続いていく。

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