37歳でも「年々テニスはよくなっていると確信」。国枝慎吾が世界1位を維持できる秘訣 (3ページ目)
さらに、2019年末にはテイクバックのやり方を変えたことで、インパクトの力強さが増した。国枝は、フォアもバックもトップスピンを多用するのではなく、フラット系ボールを打って、相手になるべく時間を与えないテニスを目指し、試合のラリーで主導権を握れる場面が増えた手応えを感じるようになっていた。
一方で、長年慣れている技術を変更する怖さもあった。「スウィングの軌道を変えると、体にかかる負担も変わってくる」という国枝は、技術改良に取り組む中で、ショットを強くするだけでなく、肩など体に負担がかからないよう試行錯誤を繰り返した。この時助けになったのが、長年積み重ねて豊富になった経験と知識で、これらを駆使しながら回答を見つけ出していった。
この絶え間ない国枝の探求心とモチベーションには頭が下がる。
2021年全仏オープン準優勝に国枝は決して満足することなく、敗戦からも何かしらを学び取ろうとしている。
「準優勝を目指してやってはいないので。やっぱりどうしてもタイトルを取るかどうかで大きな違いはあります。本当に何度も思いますけど、負けたところから得るもののほうが大きいと今日も言い聞かせて帰ろうと思います」
さらに、敗戦をいいタイミングであると捉え、自分が強くなるための宿題を得たように感じており、7月上旬に控えるグランドスラム第3戦・ウィンブルドンや、8月下旬の東京2020パラリンピックを見据えながら、ベストコンディションを構築することを目指す。
「(パラリンピックまで)まだ60日あると思うのか、もう60日しかないと思うのか......、わからないですけど、まだ修正できると思っているので、自分自身、(日本へ)帰ってからちょっと軌道修正して、ウィンブルドンに臨みたい」
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