鈴木明子がパラアスリート
に感じる「底知れない力」 (2ページ目)
――交流が少ない中でも、それまでパラアスリートの存在はどう見ていましたか?
鈴木 2010年ロンドン大会のときの、パラの選手たちを紹介した映像があるんですが、ものすごくカッコよかったんですよ。障がいがあるからどうというのではなく、ハンディを強さに変えて戦っている映像を見たとき、衝撃的で、素直にカッコいいと思いました。オリンピアンとの取り上げ方に差があると感じていましたが、実際にはパラリンピアンも、たくさんのメダルを獲っているし、オリとパラの間に隔たりはないと思います。オリンピック・パラリンピックという目標に向かって頑張ることでは同じ。
私は彼らのことを本物のアスリートだと思っています。世間的な興味の持たれ方とか認知のされ方には違いがまだあるかもしれませんが、ロンドンやリオはものすごく盛り上がりましたよね。その盛り上がりを東京につなげなければと感じています。選手は進化していますし、器具もそう。一番遅れているのは見る側の意識かもしれません。
――今後、もっとたくさんの人にパラスポーツを知ってもらうには、どんな取り組みが必要だと思いますか?
鈴木 パラリンピックの開催期間以外で、その競技を目にすることが少ないのも問題だと感じています。一般的に人気があると言われるスポーツは、目にする機会が多くて、選手たちの動向を知ることができます。パラリンピックの期間だけ興味を持てと言われても難しいというのが現状かもしれません。そこが難しいところ。普段から見る機会があれば、あの選手はカッコいいとか、この選手を応援しようとなるのでしょう。継続的に選手や競技を注目できる仕組みができればいいのにと思います。
――まずは見てもらうということが重要ですね。
鈴木 そうですね。いまは、YouTubeをはじめインターネットで動画を目にする機会が増えました。興味を持つことによって、簡単に検索してたどり着くことができるようになったことで、うまく使っていければ、魅力を多くの人に伝えられるのではないかと思います。
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