国枝慎吾、史上初のパラ3連覇へ。苦境の中でも「自分の力を信じる」 (4ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • photo by Ito Shingo/AFLO SPORT

 リオでは、世界ランキング1位のステファン・ウデ(フランス)が優勝候補筆頭と言えるだろう。4年前のロンドンの決勝で国枝に敗れて銀メダルに終わった悔しさを糧に、進化を続ける45歳。「今度は自分が一番になる」と気合い十分だ。そして、同2位のヨアキム・ジェラード(ベルギー)、同3位のゴードン・リード(イギリス)ら勢いのある20代の選手が存在感を増しつつある。

 こうしたライバルたちに対し、国枝は世界ランク7位で今大会を迎える。ベスト8、そしてベスト4で世界ランキング上位者と対戦する可能性があるが、その点に関しては「頂点に立つにはどこで当たろうと全員倒さなければならない。早いか遅いかの順番はあまり関係ない」と冷静だ。

 今年に入って出場したのは5大会のみ。15大会ほどエントリーしているライバルたちと比べて圧倒的に実戦の数が少ない国枝にとって、今回は初戦からの戦いぶりが重要になる。納得いくプレーを1つずつ積み上げ、自信を取り戻しながらトーナメントを勝ち上がれば、おのずと結果はついてくるはずだ。「己との闘い」にどう決着をつけるか。リオ大会での国枝のテニスに注目が集まる。

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