国枝慎吾も復活。車いすテニス国別対抗戦で見せた日本勢のメダル (2ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 吉村もと/MAスポーツ●写真 photo by Yoshimura Moto/MA SPORTS

 試合後は、「ほっとした」と話した国枝だが、ウィナーを繰り出したかと思えばアンフォーストエラーを犯すなど調子の波が大きく、「30点くらい」と自己評価した。

 だが、ここからが"復活ロード"の幕開けだった。第2戦のベルギー戦では、世界ランク2位のヨアキム・ジェラードを相手にストレート勝利。初日よりエラーの数も減り、チェアワークも改善したが、「オフェンスの精度が足りない。正直なところ、まだ自分を疑っている」(国枝)。

 準決勝では前回王者のイギリスと対戦。世界ランク13位のアルフィー・ヒューイットとの試合は、フルセットにもつれ込む展開に。伸び盛りの18歳を相手に長引くと不利かと思われたが、緩急をつけたショットを繰り出し、白星を手にした。これまでは少なかった、自分を鼓舞する場面が多くみられたのは変化のひとつだったといえる。

 そして、決勝の相手は優勝候補のフランス。第1試合を落とし、後がない日本は、世界ランク1位のステファン・ウデと対戦する国枝に運命を託した。国枝は第1セットでいきなりウデのサービスゲームをブレーク。その後は一進一退の攻防が続き、一時はゲームカウント4-3とリードするが、ウデの攻撃的なテニスにショットのコントロールを乱され4-6で落としてしまう。第2セットも第6、8ゲームをブレークされ、ストレートで敗れた。

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