【視覚障害者柔道】リオ代表内定。北薗新光が3階級減量で2度目のパラ出場へ (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 吉村もと/MAスポーツ●写真 photo by Yoshimura Moto/MA SPORTS

「何より優勝できて嬉しいです」

 そう言って安堵の表情を見せたのが、男子73kg級の北薗新光(アルケア)だ。大学3年生で出場したロンドン大会は100kg級の代表で7位。それから4年を経て、今回は3階級も軽いクラスで勝負をかけた。

 今大会で、この階級のロンドン大会代表の高橋秀克(フジテレビ)に優勢勝ち、また昨年の日本選手権準優勝の19歳・石橋元気(福岡高等視覚特別支援学校)に一本勝ちと気を吐き、並みいる強敵を倒してリオ内定を手にした。

 階級変更の理由は、ズバリ「世界で勝つため」。2014年10月の仁川アジアパラは90kg級で銀メダルを獲得したが、その直前にアメリカで行なわれた世界選手権ではキューバの選手に一回戦負けを喫した。痛感したのは“世界”とのフィジカルの違い。北薗自身も力勝負を得意とするが、それで勝負できるのはより軽い階級だと実感したという。

 もちろん、大幅に体重を落とせば、自分の柔道も変わってしまう。それを避けるため、北薗は食事とトレーニング内容を徹底的に見直し、減量しながらもスピードとパワーはキープするという過酷な挑戦に黙々と挑んだのだった。

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