【カーリング】崖っぷちに立たされていたフォルティウスが代表決定戦を制することができたワケ (2ページ目)
フォルティウスの船山弓枝コーチの記録していたショット率では、この試合の近江谷は97%。SC軽井沢クラブのリード・金井亜翠香も安定したショットを見せたが、リードの投げ合いという意味では近江谷に軍配が上がった。大会前、近江谷は「とにかくポジションごとに投げ負けないように」と抱負を語っていたが、見事に有言実行した。
フロントエンドでアドバンテージを生んだことで、スキップの吉村も時間をかけずにブラシを立てることができた。自身のショットでも第8エンドと第10エンドのラストロックで迷わずドローを選択。「自分はできるんだっていう強い自信を持って最後は思いきり投げました」と振り返ったが、それもリードの近江谷がセンターとコーナーに正確なドローを投げ分けて、ウエイトや幅について有益な情報をチームにもたらし続けたからこそ、だろう。
結果的に第5エンドの3点でフォルティウスが勝利を手繰り寄せ、大願成就。「やってきたことが間違ってなかったと確認できて、すごくうれしいです」とは殊勲の近江谷だ。
一度、札幌に戻ったチームはさらなる強化を求めて今週末には渡航。2カ月ほどのカナダ遠征ののち、11月に帰国。その後、国立スポーツ科学センターでメディカルチェックなどを受けて、再びカナダへ飛んで、12月上旬にブリティッシュコロンビア州ケロウナで開催される五輪の出場切符をかけた世界最終予選に挑む。
最終予選では、ノルウェー、アメリカ、トルコ、エストニアなど8チームで2枠を争うことになる。タフな戦いが続くが、そこで勝ち抜くにはこの日、近江谷らが見せたセットアップでのアドバンテージは不可欠だ。近江谷が言う。
「最終予選も通過点として見られるぐらいに、自分たちの完成度をしっかり上げていきたい」
目標は、五輪での金メダル。第一関門は突破した。続く関門突破へ、フォルティウスの旅は続く。
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