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野球の独立リーグから転向し競輪界へ 卒業記念レースで魅せた将来有望な男子選手たち (2ページ目)

  • text by Sportiva

在所成績2位で卒業する三神 photo by Takahashi Manabu在所成績2位で卒業する三神 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る

【男子を制した三神遼矢】

 時折冷たい雨が降るなかで開催された男子の卒業記念レースを制したのが、三神遼矢だ。

 決勝では「早めに主導権を取って先行したい」と語っていた三神。狙いどおり打鐘とともに先頭に出るが、わずかにペースを落とした隙を突かれて2番手に。それでも「杉浦(颯太)君1車だけだったので、冷静に切り替えた」と慌てずピタリと後ろについた。そして第3コーナーからさらに加速して先頭に躍り出ると、そのまま1着でゴールラインを通過した。

 養成所での2回のトーナメントも含め、初めて表彰台に上り優勝を手にした三神は「素直にすごくうれしいです」と笑顔を見せた。

 三神は養成所で在所2位の成績を残し、記録会では2度ゴールデンキャップを獲得している。また2024年1月から自転車競技のナショナルチームBにも所属している逸材だ。

 中学3年のときにツール・ド・フランスを見てロードレースの選手に憧れた三神は、高校から自転車競技部に所属。主にロードレースの選手として活躍していたが、大学2年からトラック種目に専念するようになった。すると3年時に国体のスプリントで優勝。4年時にも同大会で勝ち、連覇を達成した。

 そんな三神の強みは、小学5年から中学3年まで取り組んでいた体操で培った柔軟性。

「自転車は前傾姿勢を取りますが、体が硬いと前傾姿勢がうまく取れなくて、空気抵抗が大きくなってしまいます。体操は柔らかい動きのなかでも力をいれなくてはいけません。自転車では深い前傾姿勢を取ったうえで、強い力を出さなくてはいけないので、その部分は近いところがあります」

 三神は180cmを超える身長だが、低く構えた前傾姿勢からスムーズに加速するスタイルは、流麗で優美に見える。

 今後は競輪と自転車競技の両方での活躍を目指すという三神。武器は、「向上心を持って地道に練習できるところ」と謙虚に語る。この先どこまでの高みまで登り詰めるのか、今から楽しみな選手だ。

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