世界1位の日本フェンシング・男子フルーレ アジアでの敗戦をパリ五輪に生かせるか (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFLO SPORTS

【リフレッシュを優先した影響】

 フェンジングは7月の世界選手権でシーズンがひと区切りとなり、11月下旬から次のシーズンが始まる。アジア大会の時期までシーズンを引っ張ることもできたが、今年はパリ五輪へ向けて一旦休息を入れなければ、来年4月末までの五輪出場権獲得レースを戦い抜けない。それを考慮してリフレッシュを優先した影響はあった。

「世界選手権まですごくハードなスケジュールで練習をこなして、自分たちもピークをそこに持ってきていました。ナショナルチームのルペシュ・エルワンコーチは、オンとオフの切り替えをすごく重視していて、『休む時はフェンシングをやるな』と言う人。たぶん、各々どこかで練習をやっていたとは思うけど、僕も帰省した3週間はしっかり休みました。松山選手は休み明けの集合の時、日に焼けて真っ黒だったから、いいオフのすごし方をしたのかなと思います」と飯村は話す。

 その日焼けしていた松山は、アジア大会の結果をふまえて、前向きにこう考えている。

「今回、優勝はしたかったし全員がその気持ちでしたが、大事なのは来年の重要な大会に一番いい状態で臨むこと。この負けにも意味があると思うので、今回の負けを『準備不足だからしょうがない』で片づけず、準備の仕方や、この大会の試合のなかでの取り組みも含めて見直すところはある。反省すべきところはしっかり反省して、自分のやるべきことをやれば、また必ずいい結果になると思います」

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