錣山親方が躍進する力士2人を絶賛。夏場所での好スタートに「ここがすごい」
元寺尾・錣山親方の『鉄人』解説
~2022年夏場所編
元関脇・寺尾こと錣山(しころやま)親方が、本場所の見どころや話題の力士について分析する隔月連載。今回は、5月8日から始まった夏場所(5月場所)において、序盤戦から躍動する注目力士について語ってもらった――。
大相撲夏場所が両国国技館で始まっています。
先場所までは新型コロナウイルス感染拡大防止のため、お客さまの入場を制限し、マス席も2人までとしていましたが、今場所から入場者数はおよそ9000人を上限とし、マス席も通常の4人利用(一部2人のまで)と緩和されました。テレビ観戦をしていても、以前のような賑わいが伝わっているのではないでしょうか。
もちろん、館内では万全の感染予防対策を行なっております。会場にお越しのお客さまには、いまだ不自由な点もあるかもしれませんが、土俵上で全力を尽くして戦う力士たちの姿を存分に堪能していただければと思います。
前頭2枚目まで上がってきた今場所、大関相手に3連勝を飾った琴ノ若この記事に関連する写真を見る その土俵上に目を向ければ、序盤戦で目を引いたのは、琴ノ若です。私は以前から彼に注目していましたが、今年に入ってからの躍進ぶりは著しい限り。初場所(1月場所)で11勝を挙げ、春場所(3月場所)でも11勝と、相当力をつけてきたと思います。
しかも、両場所とも優勝争いに加わっていて、敢闘賞を受賞。先場所では千秋楽の展開次第では優勝決定巴戦進出もあるか、という大活躍を見せました。
ご存知の方も多い方と思いますが、彼の父親は私と同時代に活躍していた元関脇・琴ノ若(現・佐渡ヶ嶽親方)、祖父は元横綱・琴櫻関(先代・佐渡ヶ嶽親方)です。そうしたこともあって、私は彼のことを小さい頃から知っていて、学生時代なども「頑張れよ!」と声をかけていました。
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