武井壮が「認識を改める必要がある」と考えるスポーツとスポンサーの関係。フェンシング界で取り組みたい新たな試み (2ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • 松永光希●撮影 photo by Matsunaga Koki

――常に魅力がある存在であり続けるということは、タレントとしての活動に通じる部分がありそうですね。

武井 これまで僕が培ってきた、自分の知識や経験がどうしたらビジネスになるかという発想は、任期中にすべて伝えていこうと思っています。それをどれだけの人が実践するかはわかりません。ともあれ、日本でフェンシングをメジャーにするために、認知されたあとにどんな魅力が必要なのかを選手たちにも考えてもらって、多くの人に愛される選手になってもらいたいです。

――新規スポンサー獲得には、武井さん自らが動くこともあるのでしょうか。

武井 スポンサーまわりの対応は太田雄貴前会長にも大きくサポートしていただいています。僕が会長になるにあたって、太田前会長に退任前と同等レベルのサポートをしてもらうことを条件に出しましたから。僕はあくまで広告事業がベースにある芸能活動がメインの収入源なので、僕個人を広告に利用してくださるスポンサーを確保することも大事な仕事のひとつ。個人のスポンサーと協会へのスポンサーと、どちらにも配慮する必要があります。だから太田前会長に引き続きサポートしていただくほうがスムーズなんです。

 今年の6月に「太田体制」から「武井体制」に変わったというよりは、「太田・武井の共闘体制」という感じですね。僕が改革するのではなく、日本フェンシング界の長い歴史の一部に、改革のきっかけになった共闘体制の2年があったと認識してもらえたらと思っています。

――会長の任期は1期2年ですが、未来を見据えてさまざまな種を撒いている武井さんには、任期後に他のスポーツ団体からの依頼が来そうですね。

武井 実は、すでにいくつか話は来ているんですよ(笑)。まだフェンシング協会の会長として結果を出していないので「気が早いな」と思いますが。僕はスポーツ全般が好きなので、今は「スポーツ株式会社」という大きい会社の「フェンシング部の部長」をさせてもらっている感覚ですから、何年か後には別の部署に移っているかもしれない。「芸能株式会社」のバラエティー部でも仕事をしているから、今は2足のわらじを履いて走り回っています。ただ、「フェンシングを支える」という感覚だけではなく、僕自身がフェンシング協会で何ができるかを楽しんでいこうと思っています。

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