福島由紀&廣田彩花の安定した強さ。勝ちきれない時もプラスに考えられた (2ページ目)
タイオープンが終わったあと、チームのスタッフとミーティングをする中で、1試合悪いままで終わってしまう選手なんて、上位のレベルには誰もいないという話になりました。リズムがよくなくても、どうにか頑張ってがむしゃらに返しているうちに、前向きな気持ちも戻ってきて、自分の気持ち次第で変われるところがあることに気付けました」
試練もあった19年シーズンだったが、乗り越えての好成績がある 福島由紀、廣田彩花の「フクヒロ」ペアは、近年、日本勢で最も安定して好成績を挙げている。1年間に3大会しか行なわれないBWFワールドツアースーパー1000というハイレベルな大会では、19年に全英オープンと常州・中国オープンでベスト4、インドネシアオープンを優勝。世界選手権は3年連続で準優勝だ。しかし、17年のスーパーシリーズファイナルズ(現ワールドツアーファイナルズ)や18年の全英オープンを含めて準優勝が目立ち、「シルバーコレクター」と言われる部分もある。
――準優勝だった世界選手権の話をされなかったのは、ちょっと意外でした。五輪レースで最も大きなポイントが設定された大会でしたし、日本のほかのペアに比べて厳しいヤマでしたよね。結果によっては、五輪レースで苦境に立たされる可能性もあったと思います
福島「世界選手権を取りたい気持ちはありました。でも、いつも言っていますけど『一戦一戦、臨んでいく』という気持ちが大きかったので、世界選手権だけを特別に重視しているわけではありませんでした。たしかに、ドローを見た時は『来たーっ......!』と思いました(笑)。これは試練だなとチームのスタッフで話しましたね。厳しいヤマだったので、その試合を乗り越えて、もう1回、もう1回と気持ちを持って臨んだ大会でした」
――結果、厳しい組み合わせを勝ち抜きましたが、決勝戦では前年に続いて後輩の永原和可那/松本麻佑(北都銀行)に敗れて銀メダルでした。少し聞きにくいのですが、シルバーコレクターのようなイメージもあるのですが、その点については、どう感じていますか
福島「勝ち切れないな......って思っている時期もありましたけど、最近『ほかにもいるじゃん』って気付きました(笑)。シルバーコレクターって、結構いっぱい、いると思うんですよ。女子シングルスでもプサルラ・V.シンドゥ選手(インド)が(五輪、世界選手権で銀メダル)言われていましたし、19年は、おっくー(奥原希望/太陽ホールディングス)もタイトルは取れませんでした(優勝はなく、準優勝が6回)。誰にでも起こる現象かなという気がしています。ほかにも同じ悩みを抱えている強い選手はいますし、そこまで行けていることをプラスに捉えようと思うようになりました」
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