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「追いつ追われつ」の山口茜と奥原希望。
ふたりの対戦は絶妙で面白い (3ページ目)

  • 平野貴也●取材・文 text by Hirano Takaya
  • photo by kyodo news

 山口は13年、まだシニアの国際大会で結果を残しておらず、世界ランク145位だったが、ジャパンオープンを予選から勝ち上がって優勝。当時のBWF(国際バドミントン連盟)スーパーシリーズ(現在のワールドツアーに相当)で史上最年少となる16歳3カ月での快挙を成し遂げた。翌14年には、全日本総合選手権で優勝した。そして、復帰した奥原がジャパンオープンで山口を破って初優勝したのが4年前の2015年になる。

 その後も2人は、大きな舞台で何度も戦い、互いに好成績を挙げている。16年のリオデジャネイロ五輪では、準々決勝で対戦。勝った奥原が最終的に銅メダルを獲得し、日本勢で史上初めてのシングルス種目メダリストとなった。

 翌17年には、奥原が世界選手権を制覇。ついに世界の女王となった。18年には、安定して好成績を挙げていた山口が、日本選手で初となるシングルスの世界ランク1位に到達。

 日本のファンに喜びを与え続けている両者は、昨年12月に行なわれたBWFワールドツアーファイナルズ(年間成績上位者8人のみが出場可)でも、準決勝という高いステージで対戦しており、勝った奥原が銀メダル、敗れた山口が銅メダルを獲得している。

 ジャパンオープン後に更新された世界ランクでは、山口が1位に返り咲き、奥原が3位につけている。

 8月19日に開幕する世界選手権でも、2人は表彰台を狙う。山口が第1シード、奥原が第3シードで、両者は決勝まで対戦する可能性がない(※記事掲載後の8月9日、不備があったために再抽選が行われ、両者は準決勝で対戦する可能性があるヤマに入った)。2016年リオデジャネイロ五輪や昨年の世界選手権を制したキャロリーナ・マリン(スペイン)が、1月に右ヒザの前十字じん帯断裂を負って欠場するが、そのほかの強豪はすべて参戦。1年後に控える東京五輪の前哨戦となる。

 山口は、ジャパンオープン優勝後の会見で「(決勝戦を)2人でやれたのは、すごく良かった。正直、ああ、もう今日が1年後だったら良いのになって、試合前に思った」と明かした。その姿は両者だけでなく、日本のファンも望むところだ。

 世界選手権では17年に奥原が優勝、昨年は山口が銅メダル。切磋琢磨で世界のトップを走り続ける2人は、五輪前哨戦でどのような戦いを見せるのか。ふたりの活躍を期待したい。

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