2019.03.12

髙木美帆は世界記録保持者になって思う。
「あまり意味がないのかな」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 藤田孝夫●写真 photo by Fujita Takao

1500mで世界記録更新の快挙を果たした髙木美帆 各種目のW杯総合ランキング上位12名のみが出場できるスピードスケートのW杯ファイナル。今季の主要大会の中で、唯一の高速リンクとなる標高1423mのソルトレークシティ開催のため、ハイレベルな戦いになった。

 初日は6種目が行なわれ、そのうち4種目で世界記録が誕生。女子1000mでは、元世界記録保持者のブリタニー・ボウ(アメリカ)に1分11秒61ですぐに記録を塗り替えられてしまったが、髙木美帆(日体大助手)と小平奈緒(相澤病院)も、昨季12月に小平が出していた1分12秒09の世界記録を上回る、1分11秒71と1分11秒77を出していた。

 同走だった髙木と小平。小平は最初の200mを全選手最速の17秒54で入ると、次の400mも最速でカバー。バックストレートのクロッシングゾーンでは、追う髙木の挽回は不可能に見えた。しかし髙木は、ラスト1周を小平より0秒35速く滑り、ラスト50mの直線でかわすと逆転。珍しく派手なガッツポーズを見せた髙木はこの試合をこう振り返る。

「今回は純粋に、この1本でどこまでできるかというのを久々に意識するレースでした。世界記録が出たのは素直にうれしかったし、これまでの自己記録を0秒9近く更新できたのもうれしかった。あとは小平選手との争いを僅差で差し切れたこともうれしい部分でした」

 髙木にとって今大会は、世界スプリントと世界オールラウンド選手権に続く3週連続の試合だった。世界スプリント総合は小平に次ぐ2位、世界オールラウンド選手権も2位で、同一シーズンの連続表彰台は12年のクリスティン・ネスビット(カナダ)以来の快挙だった。