カーリング界の新女王へ。吉村紗也香が「新生」北海道銀行を変える (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

――札幌国際大時代には、日本ジュニア3連覇を果たして、2013年世界ジュニア選手権では銅メダルを獲得しました。ただ一方で、最大目標としていた2014年ソチ五輪出場は叶いませんでした。当時の心境はいかがでしたか。

「大学時代の4年間は、そこを目指してトレーニングを積んでいたので、ショックは大きかったかもしれません。もちろん、(ソチ五輪の出場権をかけた)トライアルを勝った北海道銀行フォルティウスには、がんばってほしいという気持ちはあったんですけど、トライアル直後はニュースなどで映像を見るのはつらかったですね」

――その北海道銀行フォルティウスに加入することになりました。

「大学卒業のタイミングで、ちょうど自分でどこかの企業にお願いして、新しいチームを作ろうか考えている時期に、フォルティウスから『次のオリンピックを目指そう』と声をかけていただいて。単純に日本のトップチームから、そういう話をいただけたことがうれしかったですね」

――そこから、2018年平昌五輪を目指すことになったのですが、五輪出場は叶いませんでした。それでも昨年は、現地に行って会場で観戦してきたそうですね。

「女子の準決勝と、男子の決勝を見ることができました。試合自体は世界選手権と共通の部分もあって、氷上の選手の声が意外にも聞こえるんだという印象を持ちました。

 あとは何よりも、試合を見ているなかで、悔しい気持ちと4年後は自分がっていう気持ちがジワジワと湧いてきました。そういう意味でも、現地に行ってみてよかったなと感じました」

――そして迎えた今季、日本カーリング界の看板選手であり、チームの精神的な支柱でもあった小笠原歩さんがチームを離れました。まずは、彼女のすごさ、彼女から学んだことなどを教えてください。

「経験がとても豊富で、アイスの対応がとても早く、作戦面でもいろんなバリエーションを持っている選手です。技術的な部分、たとえば投げ方に関しても的確なアドバイスをもらいましたし、私の調子が上がらないとき、歩さんが助けてくれたりと、メンタル面でも支えてくれました。本当にたくさん勉強させてもらいました」

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