ロコ・ソラーレにとって、PACCの敗戦も世界一への「いい教訓」 (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Takeda Soichiro

「トップチームになるにつれて、どういうふうにモチベーションを維持するのか。何に向かって試合をするのか(考えないといけない)。そこで、心の準備だったり、身体の準備だったり、氷に上がる前の準備に、今季は長い時間を費やしてきた。

 そういう意味では(今大会では)何が足りなかったのか。(それを見極めるうえでも)日本選手権だったり、世界選手権だったり、(今後の)大きなイベントの前に1回、負けを経験できてよかった」(吉田知那美)

 チームは今後、日本で調整をしたあと、12月上旬には北米に飛んで、米ネブラスカ州オマハで開催されるW杯のセカンドレグに出場する。そしてそのまま、カナダ東端のニューファンドランド・ラブラドール州コンセプション・ベイ・サウスで行なわれる、ワールドツアー最高峰タイトルのひとつ『BOOST NATIONAL』に挑戦する予定だ。

 それらの大きな試合で結果を残せば、W杯では来年3月に中国・北京で行なわれるグランドファイナルが視野に入り、ワールドツアーにおいては来年もグランドスラムタイトルに継続して出場できる見通しだ。

 さらに、2月の日本選手権(札幌)を制すれば、チームとしては3年ぶりとなる世界選手権(3月/デンマーク・シルケボー)の出場権を獲得する。

「世界一になるチャンスは増えている。コンスタントに自分たちのプレーができるように、しっかり準備していきたい」(吉田知)

 敗戦を糧に、悔しさをバネに。あくまでも貪欲で、どこまでもポジティブな彼女たちの"天下取り"はここからが本番だ。

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