注目の稀勢の里はいかに。錣山親方(元関脇・寺尾)が斬る「九州場所」 (3ページ目)

  • 武田葉月●構成 text by Takeda Hazuki

 そして、3番手は大関・高安。この力士も力はあります。

 ただ、厳しいことを言うと「あっちが痛い」「こっちが痛い」と言いすぎなんですよね。体が痛くない力士はいないわけで、そういうのは言い訳にならないんですよ。その辺の気持ちの持っていき方が変わってくるといいのですが......。

 今の横綱、大関の中で唯一、優勝経験がないのが高安。期待と希望を込めて、彼には優勝を狙ってほしいと思っています。

 さて、九州場所では、若手力士にも注目してほしいですね。みんな、張り切っていますから。

 なかでも、貴乃花部屋から千賀ノ浦部屋に移籍した小結・貴景勝。気持ちで上位陣に負けていないところがすばらしい。相撲に"魂"を感じる力士です。

 見ていて気持ちのいい相撲を取るという点では、千代の国からも目が離せません。彼の「決して諦めない」姿勢は、全力士が真似すべきだと思っています。

 話題満載の九州場所。開催会場となる福岡国際センターの入場口では、私も入場切符を切る仕事もしています。お近くの方はぜひ会場に足を運んでいただいて、本場所ならではの迫力ある相撲を楽しんでもらいたいですね。

photo by Kai Keijirophoto by Kai Keijiro錣山(しころやま)親方
元関脇・寺尾。1963年2月2日生まれ。鹿児島県出身。現役時代は得意の突っ張りなどで活躍。相撲界屈指の甘いマスクと引き締まった筋肉質の体つきで、女性ファンからの人気も高かった。2002年9月場所限りで引退。引退後は年寄・錣山を襲名し、井筒部屋の部屋付き親方を経て、2004年1月に錣山部屋を創設した。現在は後進の育成に日々力を注いでいる。

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