2018.10.26

小平奈緒の平昌五輪金メダルの
裏にあった、「コーチの心配性」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

コーチが語る小平奈緒の急成長(2)

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 小平奈緒(相澤病院)の2017-2018年シーズンの充実ぶりは、「1000mが強くなったこと」に要因があると結城匡啓(ゆうき・まさひろ)コーチは語る。

平昌五輪の500mでは絶対的な強さで金メダルを獲得した小平奈緒「みんなには笑われたんですけど、僕は小平の身体能力の適性は1000mだとずっと言っていたんです。それまで清水宏保とか、500mでバンクーバー五輪に出た新谷志保美を見てきましたが、彼らのような瞬間的にカーンというのはないのですが、徐々に加速していく感覚があるんです。1000mで世界記録を出したということは、1000mに適性があるという考えは間違ってなかったと思います」

 小平はこれまで陸上競技に学びに行ったり、古武術を経験したり、新しいトレーニングを取り入れている。

「最初にスケートの課題がないと、新しい発見は生まれません。スケートでこういう風にしていきたいと悩んでいるときに他競技の体の使い方を見ると、一瞬で閃くんです」

「そこから、500mバージョンや1000mバージョン、1500mバージョンの練習方法やメニューができる」と言い、また、さまざまな距離を練習しておくことでメリットが生まれると結城は語る。

「1000mで力が保てるようになると、確実にストロークが安定するので、500mの100m以降の滑りも安定します。それに加えて五輪での戦いを考えたとき、今回のイ・サンファ(韓国)のように1000mをスキップして500mにかけるという考えもありますが、もし先に行なわれる1000mで金を獲れることができれば、500mはかなり楽なメンタリティで臨めると想像できます。