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日本バドミントン界の競争が激化。
もはやタカマツペアだけではない (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AP/AFLO

 テレビ中継の解説もした、2007年世界選手権男子ダブルス銅メダリスト、元五輪代表の池田信太郎氏(国際バドミントン連盟アスリート委員)は大会の印象をこう話す。

「大会前はそこまでメダルの数が伸びるイメージはなかったのですが、サプライズは男子ダブルスと、山口がしっかり銅メダルを獲った女子シングルスですね。

 桃田の場合は腹筋を痛めていたようでしたが、他の選手に負けるような要素はなかった。アジア選手権やインドネシアオープンで優勝してディフェンスに自信をつけていたと思いますし、ディフェンス70%でしっかりラリーをして相手の意図を消して勝ったので、銅メダルを獲った15年より格段に実力をつけているという印象でした。

 女子ダブルスは、リオで金メダルを獲った髙橋・松友組が国内の試合でも若い選手などに負けていて、競争心が高まっていた感じがします。自分の力を出せば金メダリストに勝てるんだという自信が周囲の選手にも出てきていると思うので、その競争の激しさが(今大会)出た結果だと思います」

 日本バドミントンがここまで強くなったきっかけは、04年に朴柱奉(パク・ジュボン)氏がヘッドコーチに就任して、戦いの場を世界に求めるようになったことだ。

「いきなり金メダルというのは難しいですが、その中で男子シングルスの田児賢一など、ちょっと抜けた存在が出てきて、少しずつ世界に通用するようになって足跡を残してきた。

 男子ダブルスも僕たちの前はメダルを獲った選手は誰もいませんでしたが、1個でもメダルを獲ると、他の選手も『次は自分たちもメダルだ』というのを簡単に想像できるようになったんだと思う。そういう足跡を残してきた選手がいたからこその今回の金メダルだと思うし、前回金メダルを獲った奥原を見ていて思ったのは、『銅メダルを獲ってハッピー』ではなく、(よりいい色の)メダルを目指すのが当たり前になっていて、そのための練習をするという意識を全員が持ってきている」

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