世界が驚くカーリング女子。チームを作った本橋麻里「8年前の想い」 (6ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text by Takeda Soichiro
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

――順調にいくと、来年2月の日本選手権(北海道名寄市)でチーム青森と対戦します。

「そうなったらちょっと、くすぐったい(気持ち)ですね。チーム(青森)を離れるとき、(近江谷)杏菜は『このメンバーでまだまだやっていきたい』と言ってくれました。その気持ちは、もちろんわかります。やっぱり、あのメンバーとはずっと一緒にいたチームメイトであって、家族のような存在で、戦友でもありますから。

 でも私、びっくりするくらい負けず嫌いなんですよ。ライバルだなんてまだ言えないけれど、もし(対戦が)実現したら、チャレンジャーとして『負けたくないな』という気持ちで挑みます。冗談ですけど、お互いに『ミスしろ、ミスしろ』なんて、囁きながら試合するかもしれません(笑)。それは、とても楽しそうですね」

* * *

 当時、ほぼゼロの状態で新チームのことを語っていた本橋麻里。その内容からは、彼女が目指す方向性がはっきりと見て取れる。

 平昌で快進撃を続けるロコ・ソラーレ北見は、その清々しい笑顔のプレーが世界から賞賛されている。そのスタイルは、現在リザーブとしてチームを支える本橋の、結成時から変わらぬ理想がそのまま実現したものと言えるだろう。

プロフィール
本橋麻里(もとはし・まり)
1986年6月10日、北海道生まれ。ジュニア時代はマリリンズのスキップとして活躍。その後、河西建設を経て、2005年からチーム青森へ。カーリング女子日本代表選手として、2006年トリノ五輪(7位)、2010年バンクーバー五輪(8位)で奮闘。そして2010年7月、チーム青森を離れて、新チーム『ロコ・ソラーレ』を結成した

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